[PR]100万円が無料で当たる!:今すぐ応募して現金を当てよう!

1998年夏 アシナガバチ観察日記


6月末頃

マンションのベランダにアシナガバチの巣を発見。ハチは4匹いた。小さいながらけっこう恐い。追い払う方法がないか検討しつつ、とりあえず遠くから写真を撮ってみた。
063001.jpg

7月4日

対処の方法をインターネットで探してみたけど、「夜のうちに市販の殺虫剤で駆除」といった全滅作戦しか見つからず、それもなんだか可哀相なので、今年の夏はハチと同居することにした。巣は少し大きくなっていた。
070401.jpg


7月9日

ハチについていろいろ調べる。アシナガバチが人を刺すのは巣に危害を加えられたときで、ハチから人を襲いに行くことはない、とのこと。かなり近づいて写真が撮れるようになった。
070901.jpg
上の方には黄色い幼虫が見える。白く見えるのは、中で幼虫が蛹になっているところ。下の方の、穴が開いたところは羽化した後の部屋。

7月11日

毎日ハチの巣を見るのが楽しみになってきた。ハチの種類は「コアシナガバチ」であることが判明。
写真は巣の裏側。ベランダの壁とは1本の支柱で固定されている。巣が大きくなるにつれて支柱への荷重が大きくなるため、支柱部分を補強してるようだ。
071101.jpg

7月12日

ハチの数もかなり増えてきた。20匹近い成虫が、巣を拡張したり幼虫の世話をしたりしている。
071201.jpg
最初は下向きだった巣が、大きくなるにつれてそり返ってくるのは、コアシナガバチの巣の特徴だそうだ。

7月20日

ハチさん総出の作業風景。巣はまず底の部分が作られ、そこに女王が産卵し、幼虫の成長に合わせて部屋の壁が伸ばされて行く。
072001.jpg


7月26日

先端部分のアップ。卵が産み付けられているのが見える。
072601.jpg
幼虫の餌は、青虫(蝶や蛾の幼虫)を団子にしたもの。近所に畑があるわけでもないのに、どこからそんなに青虫を捕まえて来るのだろうか。左下の成虫が手にしている緑色の塊が青虫団子。
072602.jpg


7月27日

幼虫の世話をする成虫。ほほえましい光景。
072701.jpg


8月1日

左端あたりの部屋に注目。半透明の白い膜の中で、幼虫が繭を作っている。最初、幼虫が部屋から落ちそうになりつつ体を動かしているのを見たときは、「どうしたんだろう。暑いのかなあ」と思ったりしたが、糸を吐いて繭を作っているところだった。この中で蛹になる。
080101.jpg


8月4日

巣の全景。立派な繭がたくさんできている。右の方にいる淡い色のハチは、羽化したばかりの成虫だろうか。
080401.jpg


8月13日

すくすくと成長する幼虫達。「こんなにたくさん子供を作って、巣作りが間に合うんだろうか」とか、妙な心配をしてみたり。
成虫から給餌される幼虫が部屋から身を乗り出し、食べおわると部屋に引っ込むのがかわいい。
081301.jpg
かなり巣に近づいて(15cm程度かな?)撮影しているが、ハチはかなり慣れたのか、特に動揺する気配はない。

8月16日

整然と並んだ幼虫と繭。繭の数はかなり多くなったけど、穴が開いて羽化した様子が見える繭は少ないのが気がかり。ちゃんと成長してるんだろうか。
081601.jpg
巣を離れて壁に止まったところを記念撮影。見つめ合う私達(笑)。
081602.jpg


8月19日

番外編。鉢植えのイタリアンバジルの葉っぱが丸坊主になっていたのに驚き、よく見ると一匹の青虫が育っていた。アシナガバチの巣から3m程度しか離れていないのに、よくここまでハチに見つからずに成長できたもんだ。と感心してたら、翌日には姿が見えなくなっていた。食べ物がなくなったのでどこかに移動したのか、ハチの餌になってしまったのか。
081901.jpg


8月21日

繭の口がほとんど開いている。一斉に羽化したようだ。良かった良かった。
082101.jpg
ベランダの窓から部屋の中にハチが入って来た。ガラスに止まったところを接写。なかなか外に出ていってくれないので、プラスチックのコップで捕獲して外に放した。
082102.jpg


8月22日

幼虫が糸を吐いて繭を作り始めたところ。まだ繭は半透明。
082201.jpg
これが約30分後にはこうなる。
082202.jpg
とか安心してたら、ベランダに何か大きい虫が飛んできたのが見えた。トンボでも飛んでるのかな、と思ったら、アシナガバチの最大の天敵スズメバチだった。かなりでかい。スズメバチに刺されると大変なので、遠くから恐る恐る写真を撮る。巣の下にいる大きいハチがスズメバチ。恐怖しながら撮った1枚。
082203.jpg
やきもきしながら状況を見守るしかない。しくしく。スズメバチは蛹や幼虫を引っぱり出しては団子にしているようだ。アシナガバチはスズメバチを攻撃する気配がない。ミツバチの場合、体当たりでスズメバチに反撃するものの、スズメバチのひと噛みでどんどん殺されてしまって巣が全滅したりするらしいが、これなら「全滅」ってことはないのかも。
スズメバチはどこかへ飛び去ったが、しばらくするとまた戻ってきて殺戮を始めた。夕方までに数回の襲来を受ける。
082204.jpg


8月23日

目が覚めるなり気になって巣を見ると、また来てたよスズメバチさん。しくしく。成虫はどこかに逃げたのだろうか。閑散とした巣から幼虫をひきずり出しているショッキングな1枚。
082301.jpg
スズメバチが飛び去った後の様子。幼虫はまだ、ある程度残っている。
082302.jpg
巣に戻ってきて茫然とする成虫。
082303.jpg
しかし成虫は徐々に巣に戻り、また幼虫の世話を始めた。
082804.jpg


8月25日

24日の朝にもスズメバチが来ていた。
たまに1〜2匹の成虫が戻って来て世話をしているが、残っている幼虫が連れ去られるのも時間の問題だろうか。
082501.jpg


8月26日

ときどき戻って来きては世話をする成虫。
以前はかなり近づいて写真を撮っても気にする風ではなかったが、カメラを向けると威嚇するかのように羽を広げてにらみ付けられた。淋しい。
082601.jpg


9月1日

もう、いつ見ても成虫の姿を見かけることはなくなった。巣は放棄されたようだ。水やりの時に刺されないようにと、巣の発見直後に移動した観葉植物を元の位置に戻す。
成虫たちは今頃どこで何をしているのだろうか。
090101.jpg


といった経過で、うちに巣をかけたアシナガバチの夏は終わった。

巣を発見した当初は「えらいことになったなー」と思ったのだが、実際に付き合ってみると刺されることもなく、友好的(?)に過ごすことができた。成虫がどこからともなく青虫団子を抱えて戻ってきて幼虫の世話をする光景はとても微笑ましく、見ていて飽きることがない。「みんな元気に育って欲しいなあ」といった気分になるから不思議なものだ。

それだけにスズメバチの襲来はショックだった。なんとかして撃退したかったのだが、スズメバチだけを駆逐する方法がわからない。へたに手を出すと刺されるだろうし、巣は細い支柱で固定されているから衝撃を加えると巣ごと落ちてしまいそうだし、まさか薬を撒くわけにもいかない。ただ、おろおろしながら見守るしかなかった。

初夏に作り始めるアシナガバチの巣は、新たな女王が巣立つ晩秋までの間に、半分以上が何らかの理由で放棄されるらしい。餌になる虫が少ない、病気やカビや寄生虫にやられる、そしてスズメバチの襲撃を受ける、といったことの方が多いからだ。それならむしろ自然なことなのだろう。スズメバチにはスズメバチの生活があるわけだし。

けれど、成長を見守ってきた巣が目の前で襲われ、すっかり空き家になってしまうのを見るのはやはり本当に辛いことで、「アシナガバチ、いなくなっちゃったね」と妻に告げた時は不覚にも涙がこぼれそうになった。

洗濯物は思うように干せず、網戸も開けられない不自由な夏だった。巣はエアコンの室外機のすぐ近くにあり、エアコンを付けると熱風が吹き出すので、気にしながら使ったりもしたものだ。
しかし、目の当たりにした昆虫の生活はとても興味深く、おかげで蜂に関する本を何冊か読んだりもした。何もなければただ過ぎていく夏も、今年はアシナガバチのおかげで一味違うものになったような気がする。


このページに関するご意見・ご感想はこちらへ。



[PR]アナタのウラ県民性をチェック:こっそり一人で?ワイワイ皆で?診断しょ